梅雨が明けて本格的な暑さが到来しましたね。日々の疲れだけではなく暑さに疲れているのではないでしょうか?今日はゆっくり読める漫画で心を癒して欲しいと思います。
漫画「タカコさん」 新久千映著
ドラマにもなってるワカコ酒の作者・新久先生の作品です。新久先生作品らしい穏やかな作品になっています。
タカコさんから『音』について考える
主人公のタカコさんはちょっと耳が良い女性です。
履歴書には書けないレベル。特殊能力でもなんでもない。ちょっと耳が良い。
私たちの日常には色々な音が溢れています。でも、最近は日常の音と言われれば、騒音だと思う人も多いのではないでしょうか?
タカコさんの友人ヒロさんが、タカコさんの家に遊びに行く話があります。タカコさんの部屋の上階の人の足音や洗濯機を回す音に、眉をしかめるヒロさん。最近の人はヒロさんと同じような反応をすると思います。
でも、タカコさんはそれこそ息遣いだというのです。
たくさんの洗濯を回している洗濯機の音はいつもより頑張っている音。
心なしか楽しげなリズムの包丁の音は楽しいことがあったのかな。
みんな自分のことで手一杯で、「助けて」も「労わって」も伝えづらい世の中だけれど、サインは息遣いに紛れているとタカコさんは考えるようです。
確かに私たちも、イライラすれば動作が雑になって大きな音を立てることもあるでしょう。いいことがあれば鼻歌なんて歌うこともあると思います。最近では子供達の元気な声は夏休みの訪れを、蝉の声は本格的な夏の到来を教えてくれます。
雑音だと思うと苦しいけど、誰かの息遣いだと考えると、誰もが頑張っていると思えるし、私の音も誰かに届いているのかもしれない。
誰かに届いているならば、できるだけ心地の良い、優しい音を伝えれる人間になろう。
そんな風に考えることのできる優しい作品です。
耳を澄ませてみよう
私は音楽を聴くのが大好きです。家事をする時には好きな音楽をよく聞いています。アイマスクをつけている時や入浴中はヒーリング音楽をYouTubeで流すこともあります。
でも、街中を歩くときにはイヤホンはしていません。せっかく外にいるのに勿体無いなと思うのです。
カフェで一人でのんびりとお茶をするときも、イヤホンをつけずにカフェの音に耳を澄ますことがあります。
楽しそうな話し声や店員さんのテキパキと食器を片付ける音。かちゃりと出す食器の音も、私がそこにいることを教えてくれます。
忙しい世の中だけれど、時々耳を澄ませて、世界を感じてみるのも良いものである。
そんなことを教えてくれる漫画 タカコさん。ぜひ皆さんも読んでみてください。
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